チョリンの日記

思い立ったが吉日

3日目 鎮魂のリアス式海岸

昨夜は風呂上がりにビールを1本、疲れも手伝ってすぐに落ちた。3時間くらいで目が覚めてしまったので外に出てみると星が多く見える。街が近いこともあってか、満天の…とはいかない。もう一眠りしたら更に8時間も寝てしまっていた。道の駅の前の道路はすっかり朝の混雑状態。

 

道が空いてから出発。女川から海岸線に出てリアス式。海岸線と言ってもアップダウンが多いワインディングになる。少し海抜が高くなると一見「こんな山奥に…」と思えるような風景の中に新しい住宅が密集する場所がいくつもあった。海岸線の堤防も含めて確実に復興は進んでいるんだな。

 

フト目に留まった建物に車を停める。

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震災後何度もテレビでみた旧南三陸町役場だ。外階段の手すりの変形が生々しい。今まで「スゲーな…」くらいにしか思っていなかったが、よく見ると一辺が30cmはあろうメインとなる6本の角柱も僅かだが山側へ歪んでいる。津波の威力は凄まじい。

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皮肉にもここは災害対策庁舎。防災無線の放送室は2階にあったそうだ。ここで最後まで避難を呼びかけていた女性職員が居たのかと思ったら、自然と涙が溢れ出して止まらなくなってしまった。その最後の呼びかけで一人でも多くの人が助かった事を願って止まない。

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そのあと道の駅『高田松原』にも立ち寄る。

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ここはとにかく敷地が広い。静かな印象で殺伐とした感じがする。追悼の広場は鎮魂の趣きがあり、どことなく沖縄の平和記念公園を思い出させる。

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奇跡の一本松を見て思ったのが、こうした有名な震災遺構がある場所の方が人が集まっている気がする。被災地の復興記念施設にも格差があるようだ。ただ南三陸町とは対象的に、ココには負のイメージがあまりにも強く残っている。

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そこから車で5分くらいのところに「くまホル」で有名な熊谷精肉店がある。若旦那はローリーに乗ってた頃の仕事仲間。先程感じた負のイメージが手伝ってか、なんとなく会わずに陸前高田を後にすることにした。

 

この辺りは震災前にも来たことがある。あの時は土日はどこまで行っても高速千円みたいなのがあって、それを利用して遠野まで河童捕獲許可証を貰いに行った。夜中のサービスエリアがどこも満車状態だったのを思い出す。海岸線に飽きてきたので、雲の予報を調べてから山側に向かうことにした。今夜は満天の星空を拝めることを期待して。

 

途中トイレに寄った道の駅『みやもり』。

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このめがね橋、なんか見覚えがある。昔東北ツーリングに行ったとき立ち寄ったのかな? この辺は走った記憶がないが、やっぱり見た気が…

 

震災遺構を巡ったせいか今日はなんだか体より心が疲れてしまった。寝所を探して、明るいうちにダム湖の畔にある道の駅『はやちね』へ。到着したときは曇り空だったが、ひぐらしの声が出迎えてくれた。定休日ということもあってか山奥のパーキングには誰もいない。しかも車もほとんど通らない。ゆっくり休むには良い場所だ。

 

3日目の移動距離 : 234.2km

走行距離トータル : 760.2km