チョリンの日記

思い立ったが吉日

6日目 まだまだ序の口の北海道

今日は海に面した道の駅『江差』からスタート。15kmくらい手前にあった『もんじゅ』の方が広くて綺麗っぽかったけど、さすがに戻る気になれなかった。北海道は暗くなると虫が凄いので出来るだけ夜は走りたくない。やっぱりライトはLEDにしなきゃだな。虫は電球の紫外線に反応して寄ってくるそうだが、LEDの光は紫外線を出さないらしい。

 

その前に、昨夜の海面に映る月の道。美しかった。

f:id:chorin_pro:20210715221316j:image

こんな景色を眺めながら外で晩酌。それだけでも江差にして正解だった。そして日没から約3時間後、月も海に沈んだ。同じ日に太陽と月が海に沈むのを見たのは人生初の出来事。赤く染まった三日月が徐々に霞みながら水平線に消えゆく瞬間、それが一点の星と化す。異様でもあり幻想的な光景だった。

 

 

さて、海沿いに北上してまずは洗車。昨夜の虫が凄い事になっている。24時間洗車OKみたいな看板が出てるスタンドに寄ってみたら洗車機が見当たらない。店員に聞いてみると、ガンタイプの自分で水をかけるヤツだった。ちぇっ、なんだよ。擦り洗いしてないから綺麗にはならなかったけど、とにかく虫の残骸は取れたので良しとする。

 

そのあと別のスタンドで3回目の給油して、北上して、また北上して…、ついに海沿いの道に飽きてしまう。気分直しに立ち寄った道の駅でとちぎナンバーのおっちゃんに声をかけられるも、ちょうど出発するところだったのでアッサリとした返事だけで出てきてしまった。一期一会も旅の醍醐味だと解っているんだが、おっちゃんが気分を害してないことを願う。

 

最終処分場候補地で話題となった寿都町から内陸へ入りニセコ方面へ。牧草地を抜け羊蹄山が見えたときはテンション上がった。富士山の上半分だけ見てる感じがなんだか既に懐かしい。

 

f:id:chorin_pro:20210716122955j:image

ニセコの道の駅に寄ったら、目の前にホクレンのガソリンスタンドがあったので歩いて行ってみた。昔バイクで来たときは必ずホクレンで給油してフラッグを貰ったもんだ。道北・道東・道央・道南…だったかな? 4種類の色違いの三角フラッグを積荷に掲げて走るのがステイタスだった。その当時はバンダナもくれた(買った?)ので、そのバンダナが欲しくて聞いてみたのだが今はもう無いらしい。フラッグも給油レシートを送らないと貰えないとのこと。昨年から人集めになるイベントは自粛しているようで、こんなところにもコロナの影響がでていた。

 

あのフラッグはさ、走っているうちにバタバタして先端からボロボロになって年季が入ってきたり、他のライダーに「結構走ってますね」とか「道東まで行ってきたんですか?」とか聞かれたりして楽しかったんだよ。後からピカピカの新品が送られてきても価値が半減してしまうじゃないか。(それは人による)

 

f:id:chorin_pro:20210716123311j:image

今や幻となったホクレンの北海道バンダナ。

 

それにしても今年の北海道は暑い。ニセコは昼の時点で気温29℃になっていた。

 

 

地図の先っちょ好きとしては積丹半島も外せないので再び日本海側へ向かい、そのまま景勝地神威岬』へ行ってみた。これ、カムイって読むんだぜ。

f:id:chorin_pro:20210716143736j:image

駐車場から先端まで20分くらい歩くらしい。平日なのに結構人も多いし(旅日記は翌日の昼頃上げているので曜日がズレてる)。ま、とりあえず上に登ってみることに。

 

f:id:chorin_pro:20210716143815j:image

この絶景を拝めたから先っちょはもういいや。

 

 

ここでちょっと作戦会議。そろそろ洗濯をしないと着る物がなくなる。コインランドリーで洗ってる間に温泉行くとか。いや、どうせなら先に温泉入って今着てる服も洗いたい。今のところ入浴は二日に一回になっているし、今日はマジ暑かったから。いやいや待てよ、生乾きになってしまった場合その洗濯物を干しながら寝る事になる。コインランドリーは24時間営業のところもあるので、やっぱり洗濯は朝にしよう。

 

ということで、ニッカウヰスキーがある余市からキロロ方面に向かった途中にある『カルデラ温泉』に行ってみた。地元の町民しか来ない公民館みたいなところでシャワーが妙に弱い風呂だったが、入浴料は400円と安いので満足。小樽方面に少し走った道の駅『あかいがわ』で今夜も星を眺めるとしよう。

 

今日は随分走り回った気がするけど、地図を見たらまだまだ北海道の入口じゃないか。下北半島がやけに小っぽけに見えるわ。やっぱり北海道はスケールが違うな。

 

6日目の移動距離 : 402.7km

走行距離トータル : 1,886.3km

 

5日目 本州最北端の地から…

昨夜の道の駅『わきのさわ』はイマイチだった。前日のひぐらしの出迎えに対し、うるさいカラスが3羽待っていた。これだけ辺境の地にしては良いと考えた方がいいのかな。トイレの中は外観の印象よりは綺麗だったし。ただ、朝もカラスのおかげで随分早起きさせられた。せっかくなのでお湯を沸かしてコーヒーを飲む。北国と言えど自販機にHOTは無い。

 

まずは本州最北端を目指して半島の西側を走り出す。途中の仏ヶ浦を展望。奇岩が立ち並ぶ景色は不思議だな。近くの駐車場から海岸に出られるらしいが、山道を片道10分も歩かされるので断念した。

f:id:chorin_pro:20210715081220j:image

 

険しい山道と小さな港町の繰り返しでちょっと走りづらかったが、信号も無く交通量少なめですぐに大間崎へ到着。

f:id:chorin_pro:20210715084030j:image

あいにくの天候で北海道は望めず。

 

f:id:chorin_pro:20210715084105j:image

本州最北端の碑。ここは北海道最南端より北側だ。

 

f:id:chorin_pro:20210715084224j:image

最北端の碑の更に北側。昔、日本最東端の納沙布岬で同じことをして足がズブ濡れになったのでこれ以上はやめといた。

 

f:id:chorin_pro:20210715085655j:image

目の前の店先でおこぼれを狙うカモメたち。結構近づいても逃げないので人馴れしてるのかも。それにしてもカモメってデカイんだよな。羽を畳んでてもラグビーボールくらいか。以前トラックで西湘バイパス走っていたらフロントガラスにカモメが当たったことがあるけど、バレーボールのアタック受けたみたいな音と衝撃だった。

 

f:id:chorin_pro:20210715214118j:image

歩いてすぐの駐車場はトイレと炊事場(?)もある。広い芝生にはテントを貼ってるキャンパーもいた。

 

 

そのあと恐山に向けて半島北側の『むつはまなすライン』を走る。ここは海沿いの道で気持ち良い。晴れていれば遥か遠くに前日行った尻屋崎が見えるハズ。また超ハイペースドライブの始まり始まり。…が、しかし、途中で一服しながら恐山情報を検索していたら『三途の川』なる場所を発見。「まだここで渡るわけにはいかん」と思ったら行く気が失せた。

 

大間崎の駐車場へ戻ってみたら鹿児島ナンバーの車がいた。なんか自分の中途半端さを思い知る。そこから大間フェリーターミナルへ行ってみると、建物の中にこんな機械が…

f:id:chorin_pro:20210715130943j:image

スマホQRコードをかざすと… 乗船券が出た!

 

実は一昨日のダム湖の畔でフェリーを調べてて、ビール片手に勢い余って予約してしまったのだ。「行きたい!」とは思っていたが「行こう!」とまでは至っていなかったので、これはホントにアクシデント(良い意味で)。下北半島に来て北海道っぽさ気分を堪能した後だったら、たぶんフェリーの予約はしなかったと思う。これマジで。はじめから北海道行きのフェリーを見送るつもりではいたけどね。

 

乗船待ちの列に並び、改めて乗船券を確認してドキドキした。この旅でたぶん一番興奮した瞬間。

f:id:chorin_pro:20210715131232j:image

一緒に北海道へ渡るバイクは岩手・練馬・湘南ナンバーの3台、ここまで自走するのは大変だっただろう。さっきの鹿児島ナンバーもいる。

 

f:id:chorin_pro:20210715133424j:image

乗船時はこの天気。北海道も期待できそうだ。

 

さらば、本州…

f:id:chorin_pro:20210715205433j:image

 

 

 

北海道に上陸後はなんとなく前の車について行って国道227号線を左折。ただそれだけの理由で海岸線を時計回りに走ることにした。バイクで来た時は一気に旭川まで行ってしまったので渡島半島は東側を北上したのみだった。せっかくなのでまだ見ぬ北の大地に触れてみようかと。

 

函館市内の流れは緩くて、明らかに青森の方がハイペース。北海道警察は侮れないのでしばらくは様子見と思っていたけど、海岸線の一車線道路になるとやはり速かった(それでも青森のハイペースは異常だよ)。どこで寝るかと考えているうちに陽も傾いてきたので、とりあえず半島の西側へ向かって夕陽を拝むことにする。

 

f:id:chorin_pro:20210715192822j:image

北海道最南端の白神岬を経て走り続けると、左側は海と太陽、右側の小高い丘の上には延々と続く無数の風力発電風車。さっきまで北海道気分を堪能していた下北半島は何だったのだろう。好天も手伝っているが、やはりホンモノはケタが違う。この時点でフェリーを予約してしまった後悔は消えた。

 

函館から140kmほど走ったところで、北海道に上陸してから最初の夕陽が海に沈むのを見送った。

f:id:chorin_pro:20210715193307j:image

 

5日目の移動距離 : 332.6km (フェリー区間を除く)

走行距離トータル : 1,483.5km

 

4日目 目指すは下北半島

ダム湖周辺は無風状態で気温のワリに寝苦しい夜だった。星もほとんど見られず残念。にしても、山間部の朝はやはり清々しい。今日は盛岡方面を経由して4号線を北上しようと思う。とりあえず今のところは下北半島を目指すことにした。この旅で初めて目的地を決めてからの出発となる。

 

スタートしていきなり細い林道の県道43号。日陰は路面にうっすら苔が生えてる様なすれ違い困難な道。ほとんど通行量が無さそうなので対向車の心配は無かったが、途中の長野峠に工場現場があった。嫌な予感がしてゆっくり下っていると案の定大型トラックと鉢合わせ。すかさず100mほどバックして道を譲ってあげた。急な上りで荷を積んだトラックを停めさせるのもアレなのでね。

 

盛岡中心部を迂回するようにして4号線に出る。いくら岩手でもさすがに朝の大都市部は混むでしょ。そこからはただただ国道の流れに乗る。ここまでいろいろな道を走って来たが何となく役割分担が見えてきた。4号線は内陸の幹線道路でただ距離を稼ぐのみ。山間部のワインディングは楽しく走れるし、海沿いの道では景色が気分をリフレッシュしてくれる。ただし、福島県に入って以降はどこを走ってもペースが速い。後続車がいなくても、追いつかれないようにと後ろばかり気にしてしまう。

 

 

その後、一戸、二戸、三戸、五戸、六戸と順番に回ってから三沢を抜けて太平洋側に出た。なんで四戸が無いのかは先日NHKの『日本人のおなまえ』で観たけど忘れてしまった。あの番組面白い。

 

で、三沢に入ってから急に北海道っぽい雰囲気がし始める。街中もまた然り。前後を走る車のペースも一段と上がった。ちょっと速すぎやしませんかねぇ。所々湿原ぽさを感じさせる六ヶ所村まで行ったら、原発の脇を通って陸奥湾側へ半島を横断。あいにくガスっていたが風力発電の風車が乱立するエリアは走っていて気持ち良い。この辺りは富良野とか美瑛を走ってる気分にさせてくれる。

 

そして立ち寄ったのは前々から行ってみたかった横浜町。(神奈川の)横浜生まれ横浜育ちのハマっ子としてはやはり親近感を覚える。

f:id:chorin_pro:20210714190500j:image

小さい横浜駅だなぁ。

 

f:id:chorin_pro:20210714190556j:image

ついでに、横浜ナンバーで横浜郵便局に寄ったりして。近くの道の駅『よこはま』にも行ってみたけど、意外と誰も横浜ナンバーに気付いてくれない。当たり前か。ちょうどここでガソリンの残りが二目盛になったので、仙台以来2回目の給油。550kmも走ってくれて燃費は19.3km/Lとありがたい結果になった。

 

 

横浜町を出て北上するも、一般道を高速道路みたいなペースで走る流れに嫌気がさして再び半島を横断して太平洋側へ。ちょうど東通原発のあたりに出た。本日二つ目の原発。せっかくなので下北半島の北東の先端にある尻屋崎を目指す。地図で端っこの尖った部分は何故か行きたくなる習性。

 

尻屋崎灯台の入口に着くとゲートで封鎖…

f:id:chorin_pro:20210714193410j:image

と思ったら自動ドアならぬ自動ゲートだった。

 

f:id:chorin_pro:20210714193456j:image

これはゲート脇の看板の地図だが、来る途中に通った県道248号が凄かった。大型トラックでも広く感じるであろう道幅で、平坦かやや下り勾配が多い道。路面もフラット。その環境でストレートと超高速コーナーが繰り返され、しかも交通量はほぼ皆無。自ずとペースは上がるわな。まるでゲームの世界を走っている気分だった。調子こいてると痛い目に遭いそうなS字が連続して2箇所あったことは書き留めておかねば。

 

f:id:chorin_pro:20210714194543j:image

灯台はね、最果て感が漂う寂しい場所でした。

 

 

さて、そろそろ今夜の寝所を決めねば。下北半島には道の駅があまりないので、近くに温泉がある道の駅『わきのさわ』に決定。半島の北東の端から南西の端まで走ることになる。地図で見比べてみると下北半島だけでも神奈川県よりデカい気がする。時間的にも厳しくなってきたので本州最北端の大間崎は翌日に持ち越すことにした。

 

気にしていたのは温泉の営業時間。途中で調べてみたら、なんと今日は休館日ではないか。早めに気づいて良かった。一番近くにあるスパ・ウッド観光ホテルというところへ行ってみると、入浴だけでも大丈夫とのこと。今日はガンガン走って疲れたので温泉はかかせない。

 

4日目の移動距離 : 390.5km

走行距離トータル : 1,150.8km

3日目 鎮魂のリアス式海岸

昨夜は風呂上がりにビールを1本、疲れも手伝ってすぐに落ちた。3時間くらいで目が覚めてしまったので外に出てみると星が多く見える。街が近いこともあってか、満天の…とはいかない。もう一眠りしたら更に8時間も寝てしまっていた。道の駅の前の道路はすっかり朝の混雑状態。

 

道が空いてから出発。女川から海岸線に出てリアス式。海岸線と言ってもアップダウンが多いワインディングになる。少し海抜が高くなると一見「こんな山奥に…」と思えるような風景の中に新しい住宅が密集する場所がいくつもあった。海岸線の堤防も含めて確実に復興は進んでいるんだな。

 

フト目に留まった建物に車を停める。

f:id:chorin_pro:20210713110940j:image

震災後何度もテレビでみた旧南三陸町役場だ。外階段の手すりの変形が生々しい。今まで「スゲーな…」くらいにしか思っていなかったが、よく見ると一辺が30cmはあろうメインとなる6本の角柱も僅かだが山側へ歪んでいる。津波の威力は凄まじい。

f:id:chorin_pro:20210713111009j:image

皮肉にもここは災害対策庁舎。防災無線の放送室は2階にあったそうだ。ここで最後まで避難を呼びかけていた女性職員が居たのかと思ったら、自然と涙が溢れ出して止まらなくなってしまった。その最後の呼びかけで一人でも多くの人が助かった事を願って止まない。

f:id:chorin_pro:20210713111019j:image

 

そのあと道の駅『高田松原』にも立ち寄る。

f:id:chorin_pro:20210713135323j:image

ここはとにかく敷地が広い。静かな印象で殺伐とした感じがする。追悼の広場は鎮魂の趣きがあり、どことなく沖縄の平和記念公園を思い出させる。

f:id:chorin_pro:20210713135729j:image

 

奇跡の一本松を見て思ったのが、こうした有名な震災遺構がある場所の方が人が集まっている気がする。被災地の復興記念施設にも格差があるようだ。ただ南三陸町とは対象的に、ココには負のイメージがあまりにも強く残っている。

f:id:chorin_pro:20210713135958j:image

 

そこから車で5分くらいのところに「くまホル」で有名な熊谷精肉店がある。若旦那はローリーに乗ってた頃の仕事仲間。先程感じた負のイメージが手伝ってか、なんとなく会わずに陸前高田を後にすることにした。

 

この辺りは震災前にも来たことがある。あの時は土日はどこまで行っても高速千円みたいなのがあって、それを利用して遠野まで河童捕獲許可証を貰いに行った。夜中のサービスエリアがどこも満車状態だったのを思い出す。海岸線に飽きてきたので、雲の予報を調べてから山側に向かうことにした。今夜は満天の星空を拝めることを期待して。

 

途中トイレに寄った道の駅『みやもり』。

f:id:chorin_pro:20210713161357j:image

このめがね橋、なんか見覚えがある。昔東北ツーリングに行ったとき立ち寄ったのかな? この辺は走った記憶がないが、やっぱり見た気が…

 

震災遺構を巡ったせいか今日はなんだか体より心が疲れてしまった。寝所を探して、明るいうちにダム湖の畔にある道の駅『はやちね』へ。到着したときは曇り空だったが、ひぐらしの声が出迎えてくれた。定休日ということもあってか山奥のパーキングには誰もいない。しかも車もほとんど通らない。ゆっくり休むには良い場所だ。

 

3日目の移動距離 : 234.2km

走行距離トータル : 760.2km

2日目 福島は心の故郷

陽が上がって間もない頃、すぐ目の前を通った冷凍車の音で目が覚めた。宇都宮を出勤ラッシュの前に抜けたいのでトイレだけ済ませてすぐに出発。黒磯辺りまでは仕事でよく行ってたのでそこらへんの事情は判ってる。結局栃木県はただ通過するだけとなった。

 

ひたすら4号線を北上するつもりだったが、福島県に入って須賀川まで走ったとき会津若松の看板を目にして心が揺れた。福島って何故か縁があって、特に裏磐梯周辺は大好きだ。当てもなく走っているので桧原湖まで足を伸ばしても良かったのだが、大好きな磐梯吾妻スカイラインだけ走って4号線に戻ることにした。どちらかと言うと内陸や日本海側より復興が進んだ三陸を走ってみたい。

f:id:chorin_pro:20210712163711j:image

 

4号線に戻ってしばらく走ると、右側にバイク店が。この前まで乗ってたCB750がココにあるんだよなー。名残惜しいけど寄らずに通過。

f:id:chorin_pro:20210712171601j:image

 

午後もだいぶ時間が回ってきたので仙台中心部を避ける為に海側へ向かい、東部復興道路を走ってみた。海から数百mの場所に高さ10mほどの道ができていて、左右の田畑を見下ろしながらのドライブは快適。ただ、海岸線にも堤防ができているので海を見ることはできなかった。

 

仙台港近くで初の給油。ここまで460km走って来たが、ガソリンはまだ2目盛残ってる。エブリイは4ATでも航続距離500kmは楽勝だ。燃費は15.8km/Lをマーク。普段の1.5倍以上走ってくれている。

 

松島を抜け石巻に向かうとき、道を間違えてしまったら偶然にも海岸線の堤防近くに出ることができた。小雨が降り始めた中、しばし波の音に耳を傾ける。比較的穏やかな波の音が心を落ち着かせてくれるな。やっぱり海は偉大だ。

f:id:chorin_pro:20210712171442j:image

 

昨夜あまり寝られなかったこともあり、正直結構疲れてる。石巻に温泉がある道の駅『上品の郷』を見つけたので今夜はそこでゆっくりしよう。

 

2日目の移動距離 : 435.0km

走行距離トータル : 525.9km

 

1日目 首都圏脱出

なんとなく中原街道を走って神奈川県を出た。特に道を選んだワケではないが、懐かしい記憶が甦る。学生時代に夜中のバイトでコンビニ廻って雑誌の配送。世田谷区内から始まって武蔵小杉周辺の南武線沿線、そこから東に移動しながら川崎駅周辺まで。40数件と今時考えられない件数だった。配達前に仕分けのバイトもしてたので人生で最も稼いでた時期かもしれない。南武線もすっかり高架化して昔の面影はない。

 

途中で結婚してた頃に住んでいたエリアを通ってまた懐かしくなる。奥さんの実家に行くときはココ曲がってったなーとか。まあ、それはどうでもいいか。


それにしても久々の都心部。高輪ゲートウェイ駅とか初めて見たけど、まるで何かのパビリオンみたいだ。日付けが変わる前に都内を抜けるつもりだったのに大分もたついてしまったせいか、札の辻からチラッと見えた東京タワーは残念ながらライトアップしてなかった。ちょうど上野駅のあたりで0時を回る。北海道ツーリングを思い出したばかりだったので上野の駅舎を目にしたときは感慨深かったな。


そんなこんなであとは国道4号線をひたすら北上。早く関東を脱出したかったのだが、出発が遅かったこともありギリギリ埼玉県を抜けた場所にある道の駅『ごか』で仮眠を取ることに。日曜日の深夜とはいえ4号バイパスはトラックが多くて、しかもペースが早いので走りづらい。

f:id:chorin_pro:20210712045506j:image

 

1日目の移動距離 : 90.9km

 

 

旅立ち

旅に出よう。と言っても行く当てはない。

 

やっぱり北海道に行きたいな。いや、待てよ、四国は車やバイクで走ったことがない。北陸はバイクでなら行ったことがあるが、行くならのんびり周ってみたい。沖縄は船の時間が長そうでコロナがヤバそうだし、九州は上陸すらした経験もないが豪雨が心配だ。行きたい所は沢山あるのにな。

 

冷静に考えると車中泊なら暑いところはやめといた方が良いかもしれないな。ということは、とりあえず北か。

 

てなワケで、なんとなく行ってきます。

 

なんとなく…

なんとなく飲みたい気分になって、酒を買ってみた。と言っても350の缶一本。本麒麟とアサヒザリッチで迷ってアサヒにしてみた。6%の文字を見て不安になったが案の定頭が痛くなる。なんせ一昨年の会社の忘年会以来飲んでなかったから。

 

なんとなく気分で、壊れていた冷蔵庫を処分してみた。ついでにベッドも処分。プラスチックの引き出しやら衣装ケースも持っていってもらったら部屋が広く感じる。物が無いと随分音が反響するものだと改めて気付いた。

 

なんとなく旅に出たくなった。東京は月曜日から4度目の緊急事態宣言か。その前に首都圏を脱出するのもいいかもしれない。何かを始めるにはキッカケが必要だ。…というか、キッカケが無いと何もやらない自分がいることを自覚した。

 

なんとなくでいいんだよ。なんとなく動いてみる、なんとなくやってみる。なんとなく、なんとなくね。今の自分には『なんとなく』が立派な理由になるんだな。

 

 

MOTOトレインについて

25年前に北海道ツーリングで利用したMOTOトレインだが、調べてみたら記憶が間違っていることが多々あった。せっかくなので、それも含めて日記に残しておこうかと。

 

 

まずは間違った記憶から。

 

特急北斗星に連結されたMOTOトレインが上野駅をまだ明るいうちに出発して、青森駅で別の列車に連結し直されてから函館駅に向かう。青森での停車時間が1時間近くあったので、深夜の青森駅前で居酒屋を探して一杯やりながら腹ごしらえ。青函トンネルを通って函館駅に到着したのは翌日の10時台だったと思う…

 

'96.7の時刻表を調べてみたら実際はこうだ。

f:id:chorin_pro:20210704113224j:image

連結されていたのは北斗星ではなく急行八甲田。片道25,590円もしたんだなぁ… 。

f:id:chorin_pro:20210704113252j:image

上野発は22:16。青森には翌朝の9:09に到着。

f:id:chorin_pro:20210704113311j:image

青森駅から進行方向が変わるので、前後を入れ替える為にMOTOトレインを連結し直す。列車は快速海峡83号に変わり青森を9:39に出発し、函館着は昼過ぎの12:29だった。

 

どうすればこれだけ間違った記憶になるのかな。青森駅での停車時間(連結し直し所要時間)は30分、既に朝になっている駅前で飲んでるハズはない。あの居酒屋の記憶は何だったのだろう。言われてみればバイクを積んだあと上野駅近くで一杯やって、更に出発してから車窓からの夜景を見ながら乾杯し直した記憶が甦ってくる。

 

 

バイクの積載方法もまた面白かった。貨車とホームの高さが15〜20cmくらい違っていたと思うが、ドアの幅ほどあるアルミのラダーを設置して係員の補助のもと一気に押し上げる。車内に入ると同時に直角に方向転換。たしか、一箇所からの搬入で前後に振り分けられた気がする。車内にも係員がいるので立ちゴケの心配は無かった。

 

固定作業は全て係員が行う。直立状態でフロントフォークの三又と床面に設置されたレールをベルトで固定。ベルトを締めるとサスペンションの反発だけでバイクが立っている。更にバイクのシートに厚めのゴムシートを置いて、その上からベルトをかけて床面と固定。これでリアサスの反発も利用できる。つまり、荷物を積んだままのバイクがスタンドを使わずに立った状態で運ばれるのだ。固定用のベルトが左右に末広がりになるので、既に固定されたバイクの真横には停められない。車内では貨車と並列にバイクが千鳥で3列並んでいた。

 

話が前後するが、ホームへのアクセスは不忍口の脇の上野公園通りから。公園口に向かう坂を登り始めるくらいの場所に普段は使われていないであろう資材搬入用と思われる出入口があって、『MOTOトレイン受付』っぽい案内表示が控えめに出てたと思う。入口でバタバタした覚えがあるので、たぶんそこで改札。中に入ると天井が低い地下道を歩いて行くような感じ。足元は多少凸凹していた気がするが、そのまま高低差無しでホームに入場できた。函館駅での記憶は残念ながらほぼ皆無。

 

事前通達の注意事項としてガソリンタンクを空にしてから積載するとあった。出来るだけガソリンの残量を少なくしてから上野に向かったが、乗車前に検査があった記憶はない。もしかしたら残量を聞かれたかもしれないが、聞かれたとしても口頭での申告だけで済んでいるハズ。結構緩い時代だったな。

 

 

MOTOトレイン運行開始時は青函トンネル開通前で、最初の2年間は青函連絡船がルートに入っていたらしい。それはそれで面白そうだ。'86年〜'98年の夏休みだけの運行だったそうだが、利用できたことは本当にラッキーだった。上野駅のホームを荷物満載のバイクを押しながら歩いているときに浴びる一般客の視線は、そこでしか味わえないある種の快感でもある。また復活してくれれば良いのにな。

 

あぁ、俺にはもう載せるバイクが無いのか…

 

夏はまだか

長いこと雨続きだったので久しぶりの夜のお散歩。いつものように自販機の横に灰皿と座れる場所がある所に行ってみる。一服しながら蛙や虫の声を聞いていると季節感が甦る。そうだよ、もう7月に入ってるんだ。梅雨真っ只中ではあるが確実に夏は近づいている。

 

自販機でコーヒーを買おうとしたら、前に来た時まであったHOTが無くなっているのに気づく。ま、夏だから仕方ないか。こういうことでも季節を感じるってもんだ。

 

ここまで来るうちに蜘蛛の糸に二回も引っかかった。道を横断するように渡された一本の糸。雨風で巣をやられてしまったんだろう、早速の復旧作業というところか。ってことは、もう大雨にはならないのかな。虫たちはそういうことが判っているんだろう。…なんて、勝手にそう思ってみた。

 

例年だと梅雨明けまでまだ2,3週間はあるのかな。この夏は満天の星空を眺めてみたいんだけど、早く晴れてほしいものだ。或いは、星空を探しに行ってみようか。